なんでここに辿り着いたんやろう
たまに
昔のこと思い返してみる
就職して
できると思ってたことができなくて
1人で考えて悩んで泣いて苦しんで
平日の昼間に
誰もおらん砂浜を1人で歩いて
このままあの海の中に入って行ったら
明日仕事行かんでいいんやなぁ
とか
このままバイクであてもなく
どっか遥か彼方に行けば
この嫌な現実全てから解放されるんやろなぁ
とか
でも親に心配かけたくないとか
そういうこと考えてしまって
結局現実に連れ戻されて
帰りにお弁当買って
1人で泣きながら食べた
お土産屋さんで
母の日と父の日のプレゼント
選んで
泣きながら手紙書いた
子供みたいな字で
昼休みは仕事場にいたくなくて
誰もおらん公園でひたすらぼーっとしてた
1時間があっという間にすぎて
また仕事に戻らなあかんねんなぁ…
って
ため息つきながら仕事戻った
友達と遊びたくても
家族と会いたくても
距離が遠いから
会うことさえできひん
それが一番苦しかった
物理的に無理やから
頭でこうやったらいいのになっていう
想像さえできひん
とにかく
大阪に帰りたかった
たまの休みも帰りたすぎて
連休にしてもらって
ほとんど地元に帰った
帰り道も3時間ぐらい
ボーッと外の景色を見てた
往復のお金とか時間とか全く気にならんかった
とにかく帰りたかった
家に帰った時に
落ち着きすぎてため息がでた
はーよかった帰ってきたって
でも明日にはまたあそこに戻らなあかんって考えたら
つらくて
お母さんが帰りは新幹線で帰りって
1万円くれた
それが今でも覚えてる
きっと
辛そうなんが目に見えたんやろな
お父さんもお母さんもなにも言えへんけど
たぶんきっとなにかを察してなにも言わんかったんやと思う
やけど
俺の心は限界で
結局辞めることにした
引越し手伝ってくれたおっちゃん
自転車買うの付いてきてくれた優しい人やった
バイクのヘルメット貸してくれたバイトの子
たまに面談して面倒見てくれた社員の人
君は笑ってるけど時々悲しい目をしてるね
って言われて
すごく泣いた
バイク屋のにいちゃん
駅まで迎えに来てくれた
唯一地元が一緒やったバイトの人
優しくしてくれた
ご飯も連れてってくれた
みんな優しくしてくれたけど
ごめんなさい
耐えられへんかった
砂浜から帰ってきた
次の日ぐらい
仕事が終わって
ぼーっと天井を見てて
あー
俺はどうすればいいんやろ
もう
なにも考えたくなかった
あれやこれや
色々考えたけど
どれも自分にはできそうもなかった
そのとき初めて
自分の愚かさを知った
今まで甘えて生きてきたツケが回ってきたんやなって思った
やけど
もう遅かった
ぼーっとして
電気がだんだんぼやけてきて
このまま死のうと思った
その時に
頭はなにも考えられへんくなって
手と足が痺れてきて
痙攣して
息ができひんくなって
口から何か出てる感覚がして
目から涙がでて
まるで口から魂が出ていくような感覚
あー俺はたぶんこのまま死ぬんやろな
まぁいっか特にしたいこともないし
って
思った時
死んじゃダメ!!
って
たしかに聞こえた
耳はキーンって耳鳴りがしてて
その子の声だけが響いて
はっ
ってなって
魂が戻るような感覚がして
その時には過呼吸になってて
でも手足は痺れたまま
だんだん感覚が戻ってきて
あぁ
まだ死んだらあかんかってんな
って思った
それで
あー
大阪戻ろう
って決めた
戻るって決めてから
嫌いやった上司とか
先輩に
頭下げたけど
迷惑かけすぎて
返事もしてもらわれへんかった
まあ仕方ないけど
帰る時
お父さんが迎えに来てくれた
3時間もかかるのに
ごめんな
帰りも一言もはなせへんかった
話せんかったというか
話しかける言葉がなかったんやと思う
その時の俺は
痩せ細ってて
元気も覇気もなくて
今にも死にそうな感じやったから
家に帰ってきて
自分の部屋に入って
完全に戻って来た時
自分の布団で寝た時
あぁ。幸せやっておもった
ふつうに寝れる
それだけでこんなに幸せなんやって思った
そこからは1ヶ月間なにもしやんかった
なにもする気がしやんかった
働くとか無理やった
川でぼーっとしたり
公園でぼーっとしたり
1人でサッカーしたり
犬とたわむれたり
とにかく1人でぼーっとしてた
それから前のバイトの子に
短期でプールの監視員のアルバイトがあるからやりーやって言われて
暇やし
プールの監視員ぐらいできるやろ
みたいな感じでやった
みんな元気そうな子ばっかりやった
楽しそうやなみんな
って思ってた
前の自分やったら
もっとはしゃいでたんやろなぁ
って思った
そこからなんか
自分に影ができたような気がした
人と関わっても
どこか自分がここにおらんような感覚がした
それがずっと今でもある
プールのバイトが終わって
次は工場のバイトを始めた
工場のバイトとかしたことなくて
してみたかったっていうのもある
ひたすら紙を折ったり
ひたすらなんかしてた
べつにおもしろくはなかった
でも
1人やる気のなさそうな男の子と仲良くなって
ちょっと楽しくなった
でもそのうちその子が辞めて
俺も辞めることになった
でも
最後の日に
話したことない可愛らしい女の子に
お疲れ様でした
来年も良い年になるといいですね!
って言われて
あぁ…
はい
としか言われへんかった
俺、今日で辞めるのに…
って思ってたけど
ま、いっか
と思った
その時ちょうど年末ぐらいで
俺はずっと家の掃除をしてた
家にただいてても暇やし
なんかすることないかなって
掃除をしてた
でもなかなかきれいになれへんし
難しいから
掃除の勉強しようと思って
掃除屋さんで働けばいいんや
って思って
求人探したら
今の仕事場を見つけた
若い人がおらんくて
即採用やった
掃除の勉強したかったから仕事はすぐに覚えれた
でも3ヶ月ぐらいして
家の掃除が一通りできるようになったら辞めるつもりやった
やけど人が少ないのもあるし
時給上げてくれたから
辞めるのを引き延ばしてた
1年が経ったぐらいで
実家におるのが苦痛になってきた
なんか親が嫌とかじゃなくて
自分はこのままでいいんやろか
もっとなにかできるんじゃないかって
なんか消化不良な気がした
それで一人暮らしすることにした
一回して
失敗したけど
今度は失敗せえへんぞって
お金もちゃんと自分で計算して
節約もして
家事もして
自分のことは全部自分でやってみようと思った
自立したかった
でも掃除屋さんのお給料だけやったら足りひんから
夜にアルバイトすることにした
それが今の居酒屋で
そこで今の彼女に会った
初めて彼女に会った時に
この子やったら結婚してもいいなぁ
って素直に思った
でも向こうは自分のこと好きそうじゃないから
違う子と付き合って
そしたら彼女が自分のこと好きかもしれへんような雰囲気やって
そこからごちゃごちゃってなって
結局今の彼女と付き合うことになった
色々あったけど
それがなかったらたぶん逆に付き合ってないと思う
奇跡的に付き合うことになって
奇跡的にうまくいってる
彼女のことは大好きで
してほしいことがあったら
なんでもしてあげれる
愛してる
掃除屋さんも続いてて
お金も困らんぐらいにはお給料もらってる
あの時から約3年
色んなことがあった
なんで俺はここに辿り着いたんやろう
たぶんどれか1つでも欠けてたら
ここにはおらんと思う
違う運命なら違う運命で同じこと言うかもしれへんけど
俺は今幸せやと思う
次はどこに進めばいいんやろう
どこに進むのがいいんやろう
たぶん正解とかなくて
行き当たりばったりなんやろな
行き止まりになるまで前に進んで
ぶつかってから次の進路を決めるんやろな
そういう人間や俺は
バカやねんな
先のこと考えられへんから
終わらへん洞窟を
ひたする彷徨ってる感じ
でもなんか書いたらちょっとスッキリした
たまには過去を思い返してみるのもいいな
長くなったけど
そんな感じ
以上
ほな